本屋大賞ノミネート作品だから、というよりも今まで青山美智子さんの書いた「月曜日の抹茶カフェ」「木曜日にはココアを」「リカバリー・カバヒコ」「赤と青のエスキース」「鎌倉うずまき案内所」「月の立つ林で」「お探し物は図書室まで」を読み、丁寧な書き方や重厚な物語の作り方に惚れ込んだため手に取りました。
青山美智子さん特有の、少しづつ登場人物が関連し合って、物事に対して気づきを得ていく瞬間が切り取られていていました。
ただ今回は、個人的に嬉しかったことがありました。
先ほど列挙した青山美智子さんの著書「鎌倉うずまき案内所」「木曜日にはココアを」「赤と青のエスキース」の登場人物が、「人魚が逃げた」にも登場したことです。
「全て伏線のように繋がっていた!」と勝手に感銘を受けていました。
私は「リカバリー・カバヒコ」が本屋大賞にノミネートされたことで、青山美智子さんの存在と本に出会いました。
もっとさかのぼれば、本屋大賞をチェックし始めたのは「凪良ゆうさんの著書・流浪の月」をたまたま映画で拝見し、原作を読みたいと考えたことから。
凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」「星を編む」を読んでいた時に、本屋大賞ノミネート作品が並んでいる本棚にて「リカバリー・カバヒコ」を知りました。
そして青山美智子さんの丁寧な書き方や、当時悩んでいたことに簡潔に答えをくれた嬉しさから他の作品も探しました。
「お探し物は図書室まで」で作風にハマり、続けて「月曜日の抹茶カフェ」「木曜日はココアを」で勇気をもらい、「赤と青のエスキース」を読みハッとさせられ、「月の立つ林で」では少し涙が出るほど入り込ませてもらいました。
語ると長くなるのですが「鎌倉うずまき案内所」の「ナイス!うずまき」の言葉、悩んでいる時につぶやくことで、肩の力を抜かせてもらっています。
そして今回「人魚が逃げた」を読み「最初はたまたま手に取っただけでも、知らない間に何かに繋がっている」と実感できました。青山美智子さんの作品全てを通して、その気づきをもらえたような気がします。
だって「流浪の月」を映画で知って、本屋大賞作品を巡って、「人魚が逃げた」を読んだ今日にたどり着くまでに約2年?かそれ以上は経っている気がします。
すごい伏線…。
つい私は「これをするメリットがあるのか」「え、絶対こっちの方が得でしょ」とかコスパとか考えてしまうタイプです。
人生長い目で見れば、その物事がプラスになる時もあるしマイナスになる時もある。だから自分の気持ちが動く方を選ぼう、どちらも失敗でもあるし成功でもあると実感できました。
余談ですが、青山さんの作品のほとんどが、装丁にミニチュアを用いられており、登場人物が紛れ込んでいることが特徴的だと思います。
今回も読了後に「この人たちが登場した人たちか」と装丁のミニチュアと答え合わせをする楽しみも味わわせてもらいました。
しかも今回はアンデルセン童話の「人魚姫」が絡んでいるということで、そこに関連した驚きも最後にあり、照らし合わせる楽しみもありました。
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